6月26日 千葉大学教育学部での講演

患者家族への支援

2025.06.27

  • 6月26日 千葉大学教育学部での講演
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千葉大学教育学部の学生さんに、長期入院・自宅療養生活を必要とする患児への教育支援についてお話ししました。
小児がんの子どもたちは待ちに待っていた退院が近づくと、髪がない、ウイックをつけての登校、太っているなど容姿が変わっていることを、友だちがどう思うのか、急に不安になってきます。
長期入院・自宅療養しているこどもたちが学習意欲を維持し、不安なく復学するために、クラスメイトと交流を続けることはとても大切です。
そこで、入院中でも前の学校との交流を持つための教育ロボット(kubi)やアバターとして社会見学できるロボット(temi・ダブルスリー)などの活用を紹介しました。
今は、ひとりずつ学校からタブレットを渡され、自宅からでもオンライン学習ができるようになりました。しかし、タブレットは固定されているため、見やすい位置に先生が移動しなければならず、黒板の字が見えにくいこともあります。
その点、Kubiを利用すると、病室や自宅にいる生徒が、kubiに載っているタブレットを遠隔操作で上下左右に動かし、黒板の字もズーム機能で拡大してみることができます。
実際に動かすと、「うわー、すごい」と学生さんたちは目を見張り、あたかもその子が教室にいるかのような、存在感を感じてくれたようです。
学生さんたちが教師になるころには、ICTが今以上に取り入れられて、充実した教育を受けられることを願ってやみません。
学生さんたちの感想の一部をご紹介します。(文責 中島)

〇小児がんに対する見方が変わった。がんと聞くととても重くて治る可能性が低いと思っていたが、7 割から8 割の治癒率であると知り驚いた。さらに治癒率が高いため、回復後の教育の場が必要だと考えると副次的な学籍のあり方をより考えなければないと思った。
〇復学には周囲の理解や配慮が不可欠であり、本人のもつ交友関係を活かし、無理のない通学を促すことにつながるという支援の仕方があることを理解した。
〇印象的だったのは、副次的な学籍やICT を活用した教育支援の取り組みです。入院中でも居住地校とのつながりを保ち、オンライン授業で学習を継続することで、復学をスムーズにする工夫は素晴らしいと思いました。
〇高校の単位の仕組みなど学習上の困難について教えていただき、自分が担任だったら子どもたちをどうやってサポートできるかを考えました。
〇私が大学1 年生のときにボランティアで行っていた小学校では体が弱くてなかなか学校に通えない児童がいたけれど、オンラインで授業を受けてクラスメイトと会話することができていたので入院中の病弱児にもそのような方法で授業を受けたり友達との関わりを持てたりするような機会がより多く与えられてほしいと思いました。
〇高校一年生の頃に難病を発症し、自宅療養を中心に治療を行ってきた経験があり、学校を休みがちになっていた当時の不安を思い出しました。コロナ禍で病室数が不足していたこともあり私は長期入院は経験せずに済んだのですが、勉強の遅れは自分で解決できても、学校生活や部活に参加できないストレスが大きかったため、ICT を活用しつつ児童生徒への精神的ケアを重点的に行いたいと思いました。
〇実際にロボットを使用している様子を見て、実際に自分がその場にいるような体験を実感でき、より多くの学校に導入されてほしいという思いが強くなった。
〇実際に自分が学校に勤務する教員であったら、Kubi を是非取り
入れたいと思った。
〇kubi や移動ロボットを実際に見てそのコンパクトさと機能性に驚いた。